専門店は、お客様の難しいご要望にできる限りお答えすることが要求されます。
出来合いのものだけを並べ、他の物は「有りません」「出来ません」では、合理化を優先する大規模店と一緒になってしまいますので、既存商品の調整や、特別注文に対応して、初めて専門店たりえる
と思っています。
そんな仕事の時、必要になるのが「専門用語」。
「仏壇」だけに限っても、部分名称は、私が普段使っているだけでも、50以上の呼称が有ります。
さらに星の数ほどある「仏具」や「仏像」のそれぞれの部分名称。
それを駆使することが出来て、初めて、メーカー・問屋・職人との迅速な対応が可能になります。
この「仏教美術用語集」(写真)は、京都での修行期間中、昭和58年に京都市内の仏教書専門店で買い求めたもので、今でも、専門用語の習得に役立てています。
50音順の事典式で、収録語、約800語。図(イラスト)は、挿図と図録を合わせて100点。
私共のような専門分野にいるものにとっては、最近では見つからない語句があったりしますが,一般の方には、充分な語数だと思います。
図録も充実していて、寺院建築・伽藍配置・仏像・曼荼羅・表装 等、目で見て解り易く、主要な物はこれで知ることが出来ます。
寺院めぐりなどのときに、参考にすると、興味の広がるでしょう。
(私共は、これにプラスして、業界での習慣的な呼称や、地域独特の呼称も使いこなしているんです!)
**「仏教美術用語集」淡交社 中野玄三編 昭和58年 B6判 240ページ ¥2000-税別