寺院めぐりをしていると、お堂などの美しい建築物に目を奪われることがあります。
そんな仏教建築に興味をお持ちのかたにお勧めの本「仏教堂塔事典」をご紹介します。
京都の仏具商社に勤めている時、寺院用の大型仏具の組み立てに
従事したことがあり、宮殿(くうでん:仏像を納めるやしろ)の屋根やマス組みの美しさに惹かれて寺院建築に興味を持ち、京都市内の仏教書専門店で、昭和60年に買い求めました。
昨日ご紹介した「仏教美術用語集」と違い、50音順の辞典形式ではないので、寺院めぐりの現場で役立つというより、下調べで重宝しそうです。
たとえば、「堂」の項を見ると、「本堂」「金堂」「仏殿」「客殿」「書院」「塔頭(たっちゅう)」他と、その建物の使用目的別に分類されています。(索引で引くことはできます。)
基本的に、パラパラと探しやすく、見開き(2ページ)で1種を解説。
それぞれに概説、イラスト、由来、構造形式・規模、主な遺構を説明しているのですが、日本仏教史に関する内容も含まれ、その建築物について、幅広い知識が得られる本だと思います。
<目次>
・日本の伽藍(6種)
・堂(36種)
・塔(20種)
・門(21種)
・垣(13種)
**「仏教堂塔事典」 前久雄著 東京美術 昭和54年 B6判 220㌻ ¥980-税別